九州、宮崎県の南部を中心に活動するクラブです。

お勉強講座 其の九

空を飛ぶと言う事は、子供の頃からの夢でした、それが現実となり非常に嬉しいです、ただ人間は本来飛ぶと言う事を鳥みたいに本能的には習っていません、だから鳥に近づくにはそれなりの知識が必要になると思います、少しでもトンビに近づくために色々な事を学びましょう(^^)。
 万が一間違い等がありまして気づかれた方はひげまでメールで教えて下さい、よろしくお願いします。


お勉強講座その84(2004/5/2) 両翼端折り(ビッグイヤー)と乱気流
前回に引き続き翼の潰れに関しての違うパターンでの話です。

皆さんはコンディションが荒れていたり、雲の吸い上げがあったりした時は、どう言う行動をとりますか?スパイラルで高度処理したりする場合も有りますが両翼端折り(ビッグイヤー)を使用するのが一般的かなと思います、それではビッグイヤー操作する場合の注意点は何だと思いますか?、ちょっと難しい無いようになってきたかも知れませんが、前方からの投影面積を考えると直ぐに理解出来るかなと思います、そうなんです両翼が折れている事による抗力の増加が有るのです、その為にぱらはピッチUPの傾向になってしまって結果的には速度の減少と言う結果に陥ってしまいます、それともう一つはビッグイヤー操作する事によりブレイク操作が殆ど出来ないと言う問題もあります、ひげもそうなのですがビッグイヤー操作の時には軽いアクセル操作を併用される方もいるかも知れません、理由は両翼折りした事による抗力の増加で速度が下がるのを防止する事にあります。それが故にひげは何時でも直ぐにアクセルON・OFFが出来るようにアクセル連動フットバーにしてあるのです(引っ張り出す必要がないし、何時もフルアクセルと言う事でもありませんからね)、又ビッグイヤー操作により翼面積が小さくなると言うことは、同じ重さの物を支えて飛ぶにはより以上の速度が必要であると言う事です、その事を逆に言うと両翼折りをして翼面積が小さくなると失速速度が大きくなると言う事でもあります。
 もう一つビッグイヤー操作で考えられる事に人により翼端の折れが非常に違うと言う事に皆さんも気づいていると思います、折る前の手の位置をどこから引くかと言う事で翼端折りの量が変わってくるのです、但しこの時に注意しないといけないのは大きく手を伸ばさずに引くのだけ大きくストロークを取ると翼端折りにプラスしてブレイク操作も加わってしまうと言う矛盾が起きてしまいます、高度を下げるという基本的な目的の為には翼面積の減少に意味がある両翼端折りですから大きく折れた方が良いのですが、ただでさえ速度が落ちる両翼折りでブレイクコードまで引かれてしまってはいけないのです、だからブレイクコードには通常引き代に10cm以上の遊びが有るのですね、これも大事な事なのです。と言う事で皆さんも翼端折りは手をいっぱい伸ばして操作して、ブレイクコードが引かれないようにね!
 さて最後に今日の本題に入る訳なのですが、この両翼端折りしている状況で非常に大きな上昇気流に遭遇したらどうなるのでしょう?、両翼端折りしていない普通の状態で有れば万歳してピッチUPを防いでキャノピーが頭上に戻ったらシュート防止の為押さえると言う一連の動作をし、その後加速のため押さえたブレイクを戻すと言う事になりますが、両翼を折ってそれを手で保持している状況ですから万歳すると言う行動は取れませんね(出来るかな?)、じゃーピッチUP対処はどうなってしまうのでしょう?良く考えるとより大きなアクセル操作が翼の迎え角減少になってピッチUP防止に効果的なのかなと思いますが、実際にこの行為を試した事がないので何とも言えませんが理論的には正しいのではないかと思います、但し上げの回りには通常シンク有りと言う事ですから適時適切な操作が必要になるのではないかと考えられます。通常の翼端折りで有れば翼に荷重が掛かっていますし速度の低下さえなければ何も問題は起きないと思います。
 逆に両翼折りしている時で大きな上げに入りピッチUPして速度が減少してしまっているいる条件の時に、翼を戻す操作のためにブレイクコードをシェイク操作したらどうなってしまうのでしょう?、結果的に速度が最大に落ちている時にブレイク操作をしてしまうと非常に危険な状態に陥ってしまい、最悪失速してしまうのでは無いかと思います、もし翼端折りをやめる場合は翼が頭上に戻り尚かつ適正な速度になってから戻すのが正しい操作かなと思います、ちょっとした事ですがタイミングを間違うと結果は大きな差になってしまうと思います、本当にぱらで空中を飛ぶと言う事は色々な事を理解し勉強をしないといけないのだなと今日も考えるひげでした(^^)。

お勉強講座その83(2004/3/2) 翼の潰れを理解する
ちょうど最近来たJHFレポートの3・4月号の「ココが知りたい」ではありませんけどタイミング良く潰れのお話です。
 以下のデータは先月28日に宮田山でFLT時、潰れた時のカシミール画像とGPSデータです。画像中の数字は下のGPSデータと合致するポイントです。T/Oには西がらみでは有りますが飛び出せる風がありましたが、空中はかなりの強めの風でした。黄色や青い線は同日の正常FLT時の航跡です。
前上方からの画像です 前若干下からの拡大画像です
FLTの状況は、東の方(画像では右)に飛んで行って尾根線の所でターンしようとしたのですが、下りの対地速度が速くて(アクセル無しでMax50.1km/h)少し風下に流されてしまったと言う状況です、ターンの途中南を向いた時には対地速度8.6km/hまで落ちてます(これは大気速度ではありません)。ログポイント28の所で249度に向きが変わりホバリそうだったのでフルアクセルで対地速度も上がり始めた後に上からのダウンウォッシュ(下降気流)により全翼潰れに陥ります、その為次のログポイント29ではキャノピーは同じ方向を向いているにも関わらずほぼ正反対の方向73度に向いて10.2km/hで後退しています、いわゆるストール状態です、この間3秒。即アクセルを戻しダブルシェイクにより翼回復させ直ぐに速度増加の為ブレイクをある程度までリリース(これが大事ですね)、その結果3秒後のログポイント30では元の方向に戻った259度方向で15km/hで飛行再開となっています(大気速度はもっとあります、多分に30数km/h)、その後乱流を避け山から離れるために少し迂回して飛行しています、その後ログポイント34で元の方向に戻っています。
 今回ひげが経験したストールは、アクセル使用時の対気速度がある状態でダウンウォッシュ(下降気流)により全翼潰れに遭遇しストールした後の落下後退飛行でしたが、何とこの後上げ直しで西に回っている途中にも再度同じ状況に陥りました(-_-;)おいおい、次のはより早く対応したのでGPSに大きく航跡が残るほどのものではありませんでしたが、風の強さと地形の影響によりこう言う状況もあり得ますので皆さんも注意してくださいね、何時でも色々な対応の心構えが必要だと言う事です、ちなみにGPSのデータから3秒間で9mバックし10m落下していると言うのも分かりますね、こう言う事まで分かるGPSって便利かなf(^^)ありがたい記録では無いけどね!併せて大気速度も分かると良いなと言う事で今度は大気速度も記録しようかな?又出費が・・・。
 今回の感想:子供の頃ブランコで前に振り上がってから後ろ向きに下がってくるのを思い出しました、あんな感じ!背筋がゾクッとするような何とも言えない感じですよね。ブランコで練習する?

お勉強講座その82(2004/1/24) 危険を感じるFLT
皆さんも自分だけでなく他の方のFLTも見ることがあると多々あるのではないかと思いますが、安心して見ていられるFLTとちょっと不安や危険を感じる飛び方が有ると思います、じゃーその不安や危険を感じるFLTとは具体的にどの様なFLTなのか列挙して、今後の自分のFLTに生かして欲しいと思います。
1.安定したT/OやL/Dが出来ない方
これはFLT以前の問題ですが、翼を潰してT/Oしたりとか、速度が付かないのに飛び出したりとか傾きを修正せずにぱらの行く方に飛び出すとか色々ありますね、その方の立ち上げとT/Oを見たらレベルが分かると言うぐらいに技術的なものが大きいです、これをレベル上げるには練習の積み重ねしか無いでしょう、飛ぶだけではダメですね。
 L/Dに関してもショートしたり地上近くで急旋回したり、深く押さえて降りて来たり、逆に押さえが足りなくて突っ込んできたり色々ありますが、L/Dの場合には技術的な事より知識的な事(思考)が大きく影響すると思います、今日はこの様なコンディションでこの向きのこれ位の風だからこういう風にアプローチするんだと言う思考の問題ですね、事前に考えて降りると言う基本が絶対に必要なのです、行き当たりばったりのL/Dではダメなのです。
2.ピッチングの修正をしない(出来ない)FLTをする人
上手な方は多少の荒れた風の中でも上手にコントロールして飛ぶのでピッチングが見えませんが、飛びながら大きくピッチUPしたりシュートして飛んでいるのを見ると怖くなりますね、その様な方のFLTを見ると概して何もコントロールしていない(手が動いていない)と言うのが多いような気がします、車でもそうですが悪路を走るときにはハンドルは常時細かく左右に動いているはずですがぱらでも同じ事なのですけど、道路の綺麗な高速道路運転していてはいけないのです、又下にも書いて有るとおり常時ブレークテンションを確保し、ぱらの動きを早めに察知しなくては対応も遅くなりますね。常時フルリリースで飛んでいてはピッチUP対処の万歳も出来ないし、利かないです。軽く押さえたポジションが定位置なのですよ。
3.回りの状況に関係なく飛ぶ人
特にコンディションが良くなり多数の機体が飛ぶ時に感じるのですが、1番危険なのが後ろも見ないで旋回をする方、これは即空中衝突になりますから絶対に止めていただきたいです、又どんどんT/OしようとしているのにT/O前をいつまでもFLTされる方、コンディションにより仕方ない場合もありますが他の方も飛ばしてあげましょう、これは危険と言う事も有りますがマナーと言う話もあります、そうそうマナーと言えばT/Oで何回も立ち上げ失敗した場合は次の人が並んでいる場合は順番を譲ると言う配慮も必要かな、下手な人の所為で他の皆さんまで飛べなくする場合もあり得ますから、T/OやL/Dは個人で長時間占領する場所では有りません。次に当然のことですがソアリングFLTをする人はエアルールを知らないで飛ぶような事はしないで下さい、知らない方は以前書いたエアルールのお勉強講座を参照下さいね。あとL/Dの時に同時進入になりそうな場合は上級者は初心者やタンデム機を優先させるのは当然ですが、レベルの分からない場合は低高度優先、先に進入した方が優先と言うルールは絶対に守ってください、他人の進入ルートを遮るような飛行は絶対禁止なのですよ、これは早めに考慮すれば何でもない事なのですがL/D近くギリギリまで飛んできてから考えるのでは遅いし対処が出来なくなります、早め早めの判断が必要です。飛んでいる皆さんが回りや他の人のことを考えて飛べば空中衝突と言う事はあり得ないのですが毎年JHFの報告を見るとおりの結果です。自分勝手なFLTは自分だけでなく他人をまで危険に陥れますから最悪です。
4.判断がいい加減な方、耳が聞こえなくなり体が固まる方
この辺になると精神的(個人的)要素が入ってくるので、どう対処してともなかなか言いにくい所もあるのですが、よく言う「まぁ良いかと言う判断」で飛んでしまう方とかですね、T/Oの時などに傾いているとか速度が少し足りないと感じたらやり直せば良いのですが、そのまま飛んでしまう方々ですね。ぱらの場合「まずいかな」と思ったときは中止する時なのです、中途半端な状態で飛んだり降りたりすると怪我しますよ。
 固まる方は、いくら無線で適切なアドバイスを入れても本人がパニックと言うか固まっているので声が耳に入らないし操作もしてくれません、逆にぱらはそう言う時にこそ如何に平常心で操作できるかが大事なのです、だからその為に日頃からそう言う時の操作練習を繰り返し練習するのです、練習で出来ない方がとっさの場合に対処できる訳がありませんよね、PILOTライセンスを取得する前に出来るだけ何でも見てくれる人がいる内にいっぱい練習をしておきましょうね、後で練習するは=しないと言う事ですよ。始めて高高度飛行を始めた頃を思い出してください、何事にも一生懸命で飛んでいたでしょう(^^)、最後に固まるタイプの方への一言:例えどんな状況でも降りるときは風に正対して(フォローでは絶対に降りない)、降りるときは必ず最後にフレアー、ぶつかる物は回避する、その事だけは頭に入れて操作してください、でないと怪我します。この事は初級練習生だけでなくPILOTレベルでもアクシデントや突発的なときには、陥る場合があります、人ごとでは有りませんよ。

お勉強講座その81(2004/1/20)パラグラーダーってどう言う飛行物体?
先ずは下の画像を良くご覧下さい、何時も見ているような画像ですけど止まっているのをゆっくりみるのはなかなか無いですしね、パラグライダーってこう言う飛行物体なのです。
皆さんはもう当然知っているかも知れませんが、再確認と言う事で又聞いてくださいね、パラグライダーはフレキシブル・ウイング(柔軟翼)と言う事で固定翼(リジッド・ウイング)機やハンググライダーみたいに骨格を持ちません、だからコンパクトに収納できたり軽いと言う事でその手軽さが受けて急速に発展したスカイスポーツなのですが、それに応じた特性と注意が必要なのは言うまでもありません、だからパラグライダーでもっとも一番大事なのが翼形状を保つことです、これが保てないと上記の写真のように翼としての機能もありませんし危険と言う事です、画像は、飛行中の形状とT/O中止したタイミングの影像ですが、はっきりとその差異が分かると思います、第1に流入大気速度差による内圧の違いでパーンと張っているかしわしわかと言うのが目で見ても分かると思います、そうですねぱらはエアインテーク(空気取入口)からの空気の流入がないと形状を保持できないのです、と言う事は止まることは絶対に出来ないのです(大気速度的に)、但し前から風が勝手に入ってくれば(アゲインストの風)、ある程度は内圧が出て形状が保てると言う事ですね、しかしとても飛んだり浮いたりするレベルでは有りませんが。
 一般的なパラグライダーはアクセル未使用の飛行速度が時速約20km〜35km位なので風速に直すと約風速5.5m〜9.7mで飛んでいると言う事になります(台風でも風速何mは、m/秒だから、1m/秒=3.6km/時ですね)、と言う事は逆にL/DやトップランするT/Oで5.5m以上の風が無い場合に速度が止まるような飛行(前に出ないという飛行)をすると言う事は飛べない(失速する=落っこちる)と言う事なのですね、しかしそう言う6m近い風の時にT/Oする(出来る)人はあまり居ないと思うのですが、飛びを見ると降りる時とかに前に出ないような押さえた飛行をする人が非常に多いような気がします、これの対処方法ですが前に出たくないので有れば左右に偏流飛行で飛んで飛行速度を落とさずに前進速度だけ落とすと言った工夫が必要になります、これがトップランの時に使う左右に振ると言った動作になります、決して真っ直ぐ飛んで深い押さえをして前進飛行速度を落としてはいけないのですね。逆に6m以上の風が有ると既に飛行状態の速度なのでいきなり浮き上がって非常に危険なので一般的に6m以上の風では飛行禁止とぱらには書いてあるのですね。
 次に翼と人間が固定して繋がっていないと言う事が他の飛行物体と特に違った所でしょうか、これは昔ハンググライダーで飛んでいたひげが一番違和感を覚えた所でした、ダイレクトに反応しないと言う事です。一応ラインで繋がっては居るのですがしっかりいつもテンション(張力)がかかっていないと機体反応も分からないし、又飛行物体の中では超低速機と言う事で操作した場合の反応も非常に遅いと言う事です(動かす力も速度の二乗に比例して増加しますので)、これを飛行操作的に言い換えれば、ブレイクコードは必ず常時テンションの加わった状態に保たなければならない、例え万歳状態でも軽い引き感覚は持っていないといけないといけないということです、そうしないと潰れや色々な兆候も察知できません、でも引きすぎはダメですよ。次に反応の遅さに関しては先行的に操作し、いつまでも引いて過大操作にならないように注意しなければならないと言う事になります。
 どうでしたか?ちょっと後半難しかったかな?、実際の航空機は速度によって操舵の効きが変わるので過大操作や過小操作にならないようにレシオチェンジャーとかトラベルリミッターとか言って同じ操作でも舵の動く範囲を速度によって変えたり、逆に速度により動く範囲を規制したりする様な装置が付いています、低速と高速では動きが違うのです、車のパワステが速度によってハンドルの重さが変わったりするのに似てますね、ぱらはそんなの付いていませんから、人間が動きによって頭でしっかりコントロールしてあげましょうね。
まとめ:ぱらで飛ぶ時は飛行維持の為しっかり速度も持った飛行を。ブレイクテンションは常時保持。ブレイク操作は先行的に且つ過大にならないように。

南宮崎パラグライダークラブ




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