九州、宮崎県の南部を中心に活動するクラブです。

お勉強講座 其の7

空を飛ぶと言う事は、子供の頃からの夢でした、それが現実となり非常に嬉しいです、ただ人間は本来飛ぶと言う事を鳥みたいに本能的には習っていません、だから鳥に近づくにはそれなりの知識が必要になると思います、少しでもトンビに近づくために色々な事を学びましょう(^^)。
 万が一間違い等がありまして気づかれた方はひげまでメールで教えて下さい、よろしくお願いします。


お勉強講座その70(2003/3/3)
より高度な技術の習得の為に(トップランに於ける高度処理)
今までのトップランは、ちょうど良い高さで進入して高度が高い場合は入り直すと言う基本パターンで練習してきましたが、今回のは応用動作でコンディションによりちょうど位で進入したにも関わらず、リフトにより持ち上げられて高度が高くなった場合とか、宮田山の東からの進入みたいに障害物やT/Oを避けて進入する為にどうしても高め進入しないといけない場所等に用いる降り方です。事前に注意しておきますが勝手に個人で練習しないで下さい、確認しながら練習して練度が上がってOKが出てから自分で降りるようにして下さいね、怪我しますよ
上の絵はサンプルに宮田山を想定していますが、通常の宮田山のトップランに関してはお勉強講座その59を再確認して下さい、絵を見てもらって直ぐ分かると思いますが、トップランエリアで8の字旋回のような高度処理をすると言う事になります、平面的に絵を描くために絵を重ねられないので前方に少し出るような8の字を書いてありますが距離「X」の所は少ない方が良いのは当然の事ですね、またこの絵にぱらの向きが書いてありますが高度処理の段階では1度もフォロー向きに成ってないと言うところが最大のポイントです。(蟹の横這いFLT状態)
要点だけ列挙すると
1.進入は真横から最大でも45度まで(結構これ多い=突っ込み進入(速度大)=>止まれない=>前に出る)
  フォローを背負ったような急な進入をしない事、旋回の遅れと速度の付き過ぎになる
  真横より後方からの進入はどこのエリアでも乱流(ローター)が発生している可能性が高くて非常に危険
2.早め早めの行動で操作が遅れないようにする(=慌てた操作は絶対しない事)
  1つの行動が終わったら次の行動を予測して準備することが遅れず的確な操作できる秘訣
3.「A」及び「B」ポイントでの前に出ない押さえながらのターンが1番大事!(皆さん前に出ますねー)
  押さえないと前にでる、押さえすぎるとストール(失速)、細心の注意と操作の微妙さが要求されます、間違っても左右の動きのない押さえをやって速度を落とすと確実にストールに陥ります、飛行する為には最低でも20数km以上の速度が必要ですがそれを風速に直すと6m/s以上ですから、そう言う風の時に飛ぶ訳無いので前進速度が無い様な状態にすれば当然落ちます、だから前にではなく左右に動いていることが非常に重要なのです。この事は確実に頭にたたき込んで下さい、そうしないと高いところから落ちますよ。

最後に練習したい方は無線で事前連絡してから実施して下さい、誘導しますね。絶対勝手にやらない事!!

お勉強講座その69(2003/2/16)
より遠くに飛ぶためには(最良滑空速度について)
よく浮きが良いようにしっかり押さえて飛んだのだけどL/Dまで届かなかった、ショートしてしまった何て話を聞きますが、ちょっと違うような気がしますと言う事でお勉強講座です(^^)、又L/Dが近いのにショートしてしまった事の有る方にも参考になるかも知れませんね。あまりにも遠いL/Dで届かないのは、それは仕方が有りません遠すぎるのかもねf(^^;、コンディションの良い時かいっぱい練習を積んでもっと性能の良い機体に乗れるようになってから再度トライして下さいね、物には限界と言う物が有りますから。

倶楽部でも少しずつ長距離の飛行の為の練習も始めているのですが、再度長い距離を飛ぶために必要な知識の再確認です、これはそれ以外のFLTに関しても勉強になると思いますのでしっかり理解して実行できるようにしなれば、きっともっと遠くまで飛べますよ(^^)。

 分かり易いように1例をあげて勉強してみたいと思います。例えばL/D高度差300mの南郷T/Oから飛行したとします、サンプルのぱらは8m/s(28.8km/h)の速度で最小沈下率の1.0m/sで飛行するとします。その場合には、300m÷1.0m/sで300秒(5分)の時間飛べると言う事になりますので結果的に300秒×8m/sの距離だけ飛行することが出来ますね(計算結果、飛行距離2,400m)、このぱらでブレイクコードを少し緩めて10m/s(36km/h)の速度で1.1m/sの沈下率(ちょっと浮きが悪くなる)で飛行したらどうなるでしょうか?、同じように計算しますね、先ずは300m÷1.1m/sで飛行時間は273秒(4分33秒)に短くなってしまいます、飛行距離の方は273秒×10m/sと言う事になります、そうすると計算結果は飛行距離2,730mとなります。

 もうお分かり頂けたかと思いますが最小沈下率での飛行が決して遠くへ飛べると言う訳では無いのです、それぞれの機体の機体性能で決められている最良滑空比(最良滑空速度・最良沈下率)でのFLTが最低沈下率での飛行より遙かに遠くへ飛べるのです、逆に言うならば最良滑空比の時の速度と沈下率がそのぱらのペネトレーション(進出性能)を決定していると言っても過言では有りませんね、だから最近のぱらは昔より高速タイプになって来ているのは皆さん御存知の通りです。
 但し上記の計算は風の影響を考慮していません、風により最良滑空速度も沈下率も変化しますからポーラカーブを理解して速度を増減してFLTする必要が有ります(カタログデータは無風状態の場合です)、簡単な例を上げると36km/h(10m/s)が無風の最良滑空速度のぱらで向かい風が10m吹いていれば全く前に進まず下に降りるだけですね、もっと速度を上げれば前に進むので滑空比は上がります、そう言う原理です。
向かい風・追い風によっては対地速度が変わりますので進出距離に変化が有るのは当然の事ですね。
簡単に要点をまとめると
1.向かい風では普通より速度をあげてFLTする。
2.追い風では最小沈下率に近い速度で飛ぶ(減速する、但し失速に注意!)
3.上昇帯域では速度を落とす(長く留まる)
4.シンク帯(下降帯域)では加速する(早く脱出)と言った所でしょうか。
これを上手に組み合わせて考えて飛ぶともっともっと遠くへ飛べるようになるでしょう。
ちなみに上級のバリオにはバログラフやポーラカーブの解析機能もあり、より遠くへ飛ぶために何km/sまで増速又は減速と最良滑空速度を指示する物までありますよ。

 上記の計算から逆に言うならば浮きが良く長い時間飛ぼうと思ったら最低沈下率に近い速度で飛ぶ方が良いと言うことです、ソアリングする場合がこの状態に当てはまりますね(誰ですかー、ソアリングで万歳に近い飛び方をしているのわー、それじゃーぶっ飛びね)、フルグライド(万歳)は沈下率高いですよー、これを自分のぱらで詳しく理解するためにはポーラカーブをしっかり理解する必要が有ります、ぱらによりそれぞれ異なりますしね、一般的に最新の機体はフルグライドに近い速度(−1〜2km/h)の所に最良滑空速度(無風)にが有りますが、昔の機体では有る程度速度を落とした所(引いた所)に最良滑空速度(無風)が有りますね、この事は現在のぱらでは万歳でもなかなか降下しないので翼端折り又はアクセル降下操作必須と言う事です、昔のぱらは万歳でかなり降下するので降りやすかったのですが、その分普通は有る程度少し引いて飛ばないといけないと言う反面も有りましたけどね、自分のぱらはどっちかな?それを理解しないで浮きが悪いと言ったらおかしいですよ。そんなカーブ見たこともないし考えたこともないf(^^;困るなー!お勉強してね。それじゃーより高くより遠くへは飛べないよ、えっ?ぱらを買い換えるから良いって!それでは本末転倒ですよ、でもそう言う考えの方って以外と多いかも知れませんね。
良いぱらに乗って、ひげのB級生機しかも上限乗りのアルカスに負けたらダメですよー。

お勉強講座その68(2003/2/15)
学習・練習意欲後退とマンネリFLT(目標はどこへ?)
仕事でも勉強でも何にでも言えることですが、有る程度分かったり出来たりするようになると、心の安心感・安堵感からなのか落ち着いてしまって最初の頃のような情熱とファイトが無くなってきますね、これは人間皆持っているものですから仕方がないのですけど、実際はそれではいけないと言うのも皆さん分かっている筈なのですが。 この事に関してはひげも皆さんと同じなので、何か良い方法はと自分で考えて工夫していることがあります、それは目標を人並みではなく、必ず人並以上の高い所に置いているのです、ライセンスでも技術でも知識でも、そうすることによって到達目標が少し遠くなるので何時までも頑張る意識が継続します、それに何でも人以上だと他の人から便利がられたり・信頼されたり・喜ばれたり、良い事が多いですよね(^^)、でも全てが到達目標に達している訳では勿論ありませんけどねf(^^;
 以下に皆さんが練習して技能レベルを上げるためのパラグライダー技能検定の検定項目を列挙して置きますね、現在の自分の保有レベル以下の事はしっかり出来ていなくてはいけないのですよ、それプラス次のステップのカリキュラムをマスターする為に反復練習しなければなならいのですが、現実は・・・如何かな。
パラグライダー ・技能証検定項目
      1. A級証課程・実技科目
        @機材の取り扱い
        A飛行準備
        BグランドハンドリングーT ライズアップ
        CグランドハンドリングーU 走行
        DグランドハンドリングーV 着陸
        E周囲警戒・安全確認
        F風に正対した離陸
        G風に正対した着陸
        H操舵要領
        I旋回要領
        J直線飛行
        KA級総合科目 色付き項目
        修得判断:3回成功した場合、各科目を修得したものと見なす。
      2. B級証課程・実技科目
        @機材・機能の理解と取り扱い
        Aフライトプラン
        B飛行準備
        C周囲警戒・安全確認
        Dトラフィックルール飛行
        Eテイクオフ(走行加速)
        Fランディングアプローチ
        G指定地帯内ランディング
        H最良滑空・最小沈下飛行
        I軽いピッチング
        J浅いバンクのローリング
        K45度左右連続旋回
        L90度旋回(左・右)
        M180度旋回(左・右)
        N機材の収納
        O機材の点検・整備
        PB級総合科目 色付き項目
        修得判断:3回成功した場合、各科目を修得したものと見なす。
      3. NP証課程・実技科目・・・・(B級技能証保有者&合計飛行時間5Hr以上)
        @緊急パラシュートのシュミレーション L180度旋回 左右3回連続
        Aフライトプラン                M360度 左・右旋回
        B飛行準備                *N360度連続旋回 左右3回
        C周囲警戒・安全確認          *O360度左右連続旋回 8字
        Dグランドハンドリング 4スラローム  Pピッチング 前後15度
        Eテイクオフ 3−5m/sの正対風    Qローリング 左右30度
        Fクロスハンドテイクオフ          Rストールポイントの確認と回復
        G指定地ランディング 半径20m    Sリアライザーでの緩旋回
        H編流修正飛行              *21両翼端潰しと回復
        I8字蛇行高度処理飛行         2210分以上のソアリング
        J最小沈下速度での飛行        23機材の点検・調整
        K180度旋回 左右連続         24ノービスパイロット総合科目 色付き項目
        修得判断:3回成功した場合、各科目を修得したものと見なす。 
      4. P証課程・実技科目・・・・(NP技能証保有者&合計飛行時間10Hr以上)
        @飛行準備
        Aテイクオフ
        B360度旋回  *(左右連続)
       *(ピッチング 前後約30度)
        C片翼潰し(折り)での飛行
       
*D180度サイドアプローチ *
        Eランディングアプローチ
        F指定地ランディング 半径15m
        修得判断:3回成功した場合、各科目を修得したものと見なす。
備考:**印の項目は分かる人は理解して下さい。f(^^;
    時間はあくまでも基準ですので幾ら上手くても最低でもこの時間以上と言う風に考えて下さいね。
    (スクールの息子でも最低この時間は飛ばないと無理よ!と言う意味ですから?!)
と言う事ですよ、PILOTの項目が少なく細かく書いてありませんがNPの項目以上の内容と言う事で理解して下さいね、実技検定試験の時の様子を見た方は内容が大体分かるでしょうが、うちは倶楽部ですが皆さん全員に最初からJHFの教程は配布していますので到達目標は理解していると思うのですが・・。又それ以上の細部資料も一部の方には配付してあると思うのですが本当に勉強しているのか疑問になります、持っているだけでは意味がないのです、熟読しないとね。
もし到達目標を理解しているのならば、色々な練習が出来るような安全高度(例えば対地高度300m以上)に於いて何も練習もしないで、しかも対地距離も感覚も無いような山から離れた高い所で積極的に回すこともなくリッジ風の中でただ左右にだけ飛んでいる様な事は無いと思いますが、そう言うFLTでは飛行技術の向上なんて何も有る訳がありません、お年寄りPILOTの遊覧飛行ですね、そう言う年令になりPILOTのレベルまで到達していれば何も言いませんけどね、厳しい書き方かも知れませんが最近の皆さんのFLTはそう言わせるような内容が多いと思います、自分で積極的に何か行動する(練習する)必要が有ると思うのです。付け加えて言うならばPILOT取ったばかりの方でも自動車学校卒業したばかりのドライバーだとひげは思っています。(ちゃんと運転できるかな、これからが本当の練習でしょう、きっと。)
 例えばの例ですが、車の運転練習を学校の何も障害物もなくコースも作っていないグラウンドの真ん中でばかり練習していてもクランクやS字バックが切れるようになる筈もありません、それなりのコースで練習するから車幅感覚やハンドル感覚が身に付くのです、だだっ広い大空で自由にそれも適当に飛んでいても細かなハンドリングが身に付く筈もありませんね、広い所をただ飛ぶのなら始めて飛んだばかりの無線誘導の初心者でも飛べるのですから。
 それに毎日のように飛んでいる現役のジャンボの機長さんでも異常事態発生時の訓練をシュミレータや実機で定期的に練習する位なのですから、パラグライダーでも異常事態の対処練習等は何回でも反復練習しておかないと万が一とっさの時に出来る訳などありません、慌てまくったり何もしないで落ちるのが関の山ですよ、だから事故が絶えないのかもと思ってしまいます。
 と言う事です、遊び心を忘れた訳では有りませんがもうそろそろ、もう一度何かをちゃんと考えて飛んだ方が良いのでは無いですか?、ぱらはお遊びのスポーツですが大空と言う待った無しの真剣勝負の世界の中で遊んでいるのですから。
何か目的を持って飛んでますか?、ただ飛べば(浮けば)良いだけなのですか?

お勉強講座その67(2003/1/27)
サーマル・センタリングに於ける旋回について
最近は皆さんレベルが上がってきて、どんどんセンタリングの為の360度旋回をやっているのですが、色々と感じるところが有りますので書いてみたいと思います、この辺のレベルになりますとひげもしっかりちゃんとやれるかと言うと難しい話になりますがf(^^;、まぁ知識として入れておいて下さい。
1.上昇率に見合った旋回をしていますか?。
かなり上昇率の少ないリフトで大きく体重を掛け、大きいブレイク操作しているとセンタリングなのかスパイラルなのか分からないような旋回を見かけることがあります、上昇率に応じたバンクが必要ですよ。ゆるやかな上昇の場合は体重もそんなに掛けない緩やかな旋回を、どちらかと言うとブレイク操作だけで回るような感じが良いかも知れません。逆に強いリフトの場合は弾き出されないようにしっかりと体重を掛け切り込んで行かなければなりません、実際の飛行ではサーマルに入った最初はやさしく、上昇してコアに入ったりしてしっかりしたリフトになった時にしっかりバンク掛けてと言った感じですね、特定のエリアでは最初からガツンと弾かれるような強いサーマルが発生するエリアも有りますので、その時は最初からしっかり体重を入れバンクを掛けてとなりますが、やはりケースbyケースと言う事ですね。
2.旋回しながら今自分が何処で回っているか確認していますか?。
リフトによる旋回に熱中するあまり、自分が風に流されて当初の旋回開始場所から大きく移動しているのに気づいていないようなセンタリングをしているのを偶に見ます、山頂高度の倍以上の高度を獲得している場合にはまぁまぁ良いのですが、それ以下の高度の場合は尾根線を越えての飛行は危険が伴います、以前から言っているように風上側の山の前斜面が見える所までが後ろに下がる限界と思って下さいね、又風が強い場合が尾根線より後ろには飛んだらいけません、飛んだら流されてローターに巻き込まれ山沈ですよー。間違っても低高度や山の斜面に近いところでの旋回はやらないでね!これ又即山沈ですよ。
 一部の人には話していますが、1回旋回する360度の1/4(90度)毎に体重の掛け方もブレイクの操作量も本当は変化させる必要があります、そうすることにより自分の希望する場所を中心とした旋回が可能になるのです、漫然と同じ様な操作で旋回をしていると風に流されるのは当然の事です、最低でも風上回りと風下回りでは変化を付けないといけませんね、そうしないと楕円旋回になりますから、逆に言うと風上に楕円旋回するつもりぐらいで飛ぶと地面から見ると真円になると言う事です。ちなみにひげは、ブレイク操作では煩雑になりますので起きあがりぼこしみたいに体を倒したり起こしたりして体重移動を変化させてコントロールする場合が多いです、勿論それ以上の操作量になるとブレイク操作も当然しますが。
3.旋回を簡単に途中でやめていませんか?
特にサーマルに入って最初の頃は、高度も低いしサーマルも育っていませんので上がりが弱いのですが高度低下しないのであれば粘らないといけません、この辺になると人間の感覚では無理なのでバリオに頼るのですが、バリオも人により設定の方法は色々あると思いますがひげは+0.1m/s以上の上げで上昇音が鳴り始めるようにしています、本当は0m/sが良いのですが飛ぶ前のT/Oで賑やかなのでねf(^^;シンク音は−1.2m/sから出るようにしてあり、この間(−1.2m/s〜+0.1m/s)は無音にしてあります、と言う事で無音以上は機体の最低沈下率より沈下が少ないと言う事で上昇域に入っていると言うことです、だからバリオの上昇音が無くなったからやめるのではなくシンク音が出るまでは回し続けると言う必要があるのです、ましてや旋回している状況での話ですから、特に無音域に入った場合はサーマルから外れた場合も考えられますので飛行ルートの軌道修正が必要となります、場合によっては1回転中のバリオの変化も見るぐらいの必要性もありますよ、折角見つけたサーマルをあまりにも簡単に諦めている様な気がしてなりません、それからバリオの特徴として上がりの初動では上昇音が鳴らないと言う事を理解しておいて下さい、バリオはあくまでも現在とその後との気圧差ですから初動は人間の感覚の方が早いです、でも継続するとエレベーターの中と一緒で上がっている感覚が無くなりますのでバリオがやはり必要なのですけどね。と言う事で山の近くで出来始めのサーマルを拾うときはサイズも小さいので初動の動きが大事になります、こんな所で上がりが3秒継続したらターンなんて考えていると通り抜けてしまいますよ、ターン開始も場所と条件によりけりです。
最後に今回のお勉強講座が何かの役に立ち、皆さんが安全により高くより遠く飛べると良いなー(^^)byひげ

お勉強講座その66(2002/12/27)
体調とストレスと自己管理
航空機の操縦士の場合やドライバーの場合でもそうですが、操縦や運転をする時に体調が正常な状態でない場合は、冷静な判断が出来にくくなると言う事が有ります、例えばの例ですが運転してお腹が痛くなったら運転どころでは無いと言うのはわかりますよね。と言う事でぱらの場合にも同じ様な事が上げられます、自分の身近にどの様な場合がそうかと言うと、先ず体調の方から列挙すると
1.病気
寝込むような病気の時に飛ぶ人はいないと思いますが、風邪気味で寒気がする等の場合でもFLTは控えた方が良いです、安静にして完全に直ってから気持ちよく飛んだ方が良いですよ、本来の実力が発揮できません。お腹等の具合が悪い場合も本当は良くないですね、うちの搭乗員は絶対にFLTしません。
2.睡眠不足
これは結構有るのではないかと思いますが、十分な睡眠を取らないと脳も体も本来の機能を発揮できませんよ、間違っても「ぼーっとして」なんてFLTをすると何が起こるか分かりませんよ、睡眠は単純な時間でなく熟睡状態の時間が大事です、だからひげは時間に関係なく動物みたいに眠たい時に寝ると言う行動を良く取っています、食事して飲むと眠くなりますよねf(^^;
3.過度の疲労
これも仕事がらみになるのでなかなか難しいところが有るのですが、あまりにも疲労している場合はFLTは止めた方が良いですね、正常な判断や操作に支障をきたすようでは困りますから。
4.アルコールや薬物
まさか薬物と言う事は通常ないでしょうが、例えば風邪薬なんかも眠気を誘うようなのはまずいですね、もう1つのアルコールの方は結構有るのでは無いでしょうか、前日深夜まで飲んでいた場合とか田舎では昼でも飲むと言うのが有りますけど、ぱらでFLTと言う時は絶対飲まないで下さい、ちなみにうちの倶楽部では禁止事項です、人によってお酒に強いとか有るかも知れませんが実験的に正常な動作が出来なくなるのは証明されていますし、少しならと言う判断がずるずる度を超すのです、うちの倶楽部で良く使うのはノンアルコールビールですね、アルコールでなく雰囲気を味わいましょう、他は唇を濡らす程度の御神酒だけですね、うちの倶楽部は(^^)、アルコールは宴会や忘年会等の時に思いっきり飲みましょう!(ひげは飲み過ぎだけどf(^^;)

 次にストレスの方なのですが、これはその個人がストレスと認識しているかどうかと言う事が難しいのですが、例えば夫婦や恋人同士でも喧嘩したときは何故か運転が荒くなると言うのと同じ様なものですね、分かり易い例えでしょf(^^;、と言う事でこちらも順番に列挙すると
1.イライラや怒りによるストレス
飛んでいる時にそう言う気持ちを持ったまま飛ぶと良い訳が有りませんよね、大人しいスムーズな操作が出来るわけがないでしょう、落ち着いた気持ちで飛ばなければ、エリアに来ても見ているだけで飛ばない勇気が必要です、間違っても飛んで憂さ晴らしをしようなんて思わないで下さい、逆効果ですよ。
2.極度の不安によるストレス
これは特に初心者や初高高度FLTの場合とか自分の体験した事の無いような状況でのFLTの場合に感じるのだと思います、ぱらは冒険で飛ぶのでは有りませんから、怖いと言う気持ちが有る場合は飛ばないと言うことが当然なのです、だから「怖いです」と言ったらおかしいかなと思わずにちゃんと自分の気持ちを伝えられるのが大事です、うちの倶楽部では本人が飛びますと積極的な意見が出ない場合は飛ばせません、タンデムや低高度練習でもっと自信を付けてからでないと正常な操作が出来ない可能性がありますから、もうしっかり飛べるようになった練習生のFLT練習は別ですけどね(無風T/Oの練習とか、でもしっかり管理してますよ)、もう1つの方の荒れた環境の場合ですが、上手な人が飛んでいるからOKなんて自分勝手に思わないことです、片翼全部潰れても安全に回復できる自信が出来るまでは他に人の意見を聞いて下さい、飛行時間と共に少しずつ環境になれていく方が正常な操作が出来ます、今までにも極度の恐怖を味わってぱら止めた方の話は、いっぱい聞きますよ。無理はしない、自分の気持ちには正直にこれが大事です。
3.過度の緊張
これはその方の性格的な物があるので緊張するなと言う訳にはいきませんね、人前で上がるなと言うのと一緒ですから、でも過度の緊張は「右を引いて」と言っても左を引くようなことを平気でしますから、ぱらの場合には非常に危険です、無線の声も聞こえているのに全く耳に入らない状況にもなります、この様な場合もこちらが「大丈夫ですか飛べますか」と言う問いの時に自分の気持ちに反して「大丈夫です」と言わないことでしょう。でも大体ぱらのセットUPの仕方とか顔つきを見ると分かりますけどね、操作が手に着かないし、顔が極度にこわばっていますから(^^)。逆にこれからT/Oすると言うのにあまりにも緊張感が無く何もかもが雑な方も困りますけどね、適度な緊張感と言うのが理想的です、洞察力も冴えますから。
 今回直せない物まで何故ここに書いたかと言うと、自分で自分の性格をより理解してもらって正しい判断が出来るようにと書きました、ぱらの場合自己分析と言うのも大事なことです、御自分はどう言うタイプでしょうか?これを機会にちょっと考えてみて下さいね、それが今後のFLTの安全に絶対寄与しますよ。

お勉強講座その65(2002/12/13)
偏流飛行とリッジソアリング
偏流飛行と言えば、もう皆さんは当然頭では理解していますね、横風でL/Dに向かう時などに風上の方に修正角を取ったまま飛んでL/Dに真っ直ぐ行くと言う事は皆さん出来ているのですが、リッジソアリングの時には何故かなかなか出来ませんねー、良くひげから「谷向きの偏流ーっ」と言われていませんか?、この言葉を言われている方は、まだちゃんとしたリッジソアリングは出来ていないと言う事です、一つには山から離れない為に微妙な速度コントロールの為のブレイク操作を必要とすると言う事は理由に挙げられますけどね。
 もう1度お勉強講座その13を見なおしてみて下さい、本当に自分は図解されているようなFLTが出来ているでしょうか片側は出来ていても反対方向に飛ぶときは出来ていないのでは?特に風がT/Oの真正面から吹いていない場合は風上側に行く場合は出来ても、風下側に飛んで行くような場合には出来ていないのでは?と考えています、極端に偏流飛行ができずぱらが向いた方向に飛んでいる方は、なかなか高度が維持できず他の人より早くL/Dに行っていると思いますよ、他の人より早く下に降りているなーと自分で思っている方はよく考えてみて下さいね。
 この偏流飛行の技術はトップランする時にも非常に大事になってきます、安定して速度を落として進入できるか突っ込み進入になるかと言う分かれ目になります、ここで1例を挙げて実際にFLT映像を見てもらいながら理解してもらおうと思います、2002年9月29日のクラブ日記を見て下さい(くみちゃん例題に使ってごめんね!)丁度上下に同じようにトップラン進入する写真が有ると思いますが何かが違いますよね、そうです!ぱらの向きが違うのです、片方は山向き進入、片方は谷向きの偏流飛行進入なのです、その後の右のトップランの写真を見てもらえば分かるとおり山向き進入は速度が殺せず進入速度が速くなり、T/O近くまで飛んできてしまっています、谷向きの偏流飛行進入の方はどうですか?進入からトップランまで差ほどぱらの向きが変わらないし、当然速度が落ちていますので着陸進入が伸びることなく余裕を持って降りられると言う事になります。
と言う事でしっかりした偏流飛行が出来ると、速度を落とした安定したトップランが出来るし、リッジソアリングの場合も速度が落とせるのですから最低沈下速度に近い浮きが良いところで飛べるので高度が落ちずに長く飛ぶと言うことになります、風が強めの時は、ぱらが前に出にくいのでしっかり偏流飛行のリッジが出来るけど少しでも弱くなると出来ないとか、ぱらの飛行速度が速くて偏流飛行しようと谷を向くとその方向に飛んで行く人はブレイクコントロールが足りませんよー、もう少し速度を抑えた飛行が必要になります、但し失速と言う危険が有りますので顔や耳に当たる風でしっかり速度感覚を感じて下さいね、これが出来たらもっともっと安全に高く長く飛べますよ(^^)
今日の要点のまとめ
1.リッジソアリングは偏流飛行が基本です!、浮きが違いますもーん、速度も落ちるし。
(まだまだ山に平行に飛ぶ人が多いような気がします、それでは長く飛べませんよ、速度も速いし)
2.風が弱めでも失速に注意しながらしっかり偏流飛行ー。
3.トップランも偏流飛行が基本です、T/Oに真後ろから進入することはありませんから、T/Oの真横から少し回り込んで進入するのが基本ですよ。(場所にもよるけどね。)
4.谷向きの偏流に向きを変えたなら、その方向に進まないようにブレイクコントロール(速度コントロール)をする必要があります、必要で有れば修正で山側ブレイク操作をする事もありますよ、リッジバンド(上昇風帯)を外れたらリッジソアリングにならないもんねf(^^; (でもこれ結構多いよーっ!。)

リッジソアリングで時間を稼いで、その間にサーマルを見つけてより長くより高く飛んで下さいね!(^^)、そして高度を稼いだら今度はグランドサーマルを狙って場所を決めてから狙い定めて前に飛び出してみましょう、そうすると今後のFLTが一変しますよ、もしもそれでしっかりサーマルに当たったらそれこそ大空の彼方まで飛んで行くでしょう(^^)、でもクロカン練習では無いからL/Dには帰ってきてねf(^^;まだ居なくなったら困ります。

お勉強講座その64(2002/12/7)
パイロットと練習生の飛びの違い
出張も有ったのもありますがちょっと長くさぼってしまいましたf(^^;、と言う事で今回は何故PILOTレベルの方と練習生の方では飛びが違うかについて考えてみたいと思います。練習生の方から見るとPILOTの方のFLTを見ると上手いなー良く上がるなーと単純に感じると思いますが、それにはそれなりの理由が当然有るのですよ(^^)、決して使用しているぱらの性能が良いからと言うだけの問題ではないのです。
それではその理由とは?
1.コンディションの把握
(1)風を読む
どこのエリアでも毎日同じ条件と言う事は、先ずあり得ません、日によって日射も風も違いますし気温も変わります、昨日上がったところで今日も必ず上がると言う事は無いのです、だからその日の風を読むことは非常に大事な事なのです、上がるかぶっ飛ぶかと言うぐらいの差になります。この事は飛ぶ前だけでなく飛んでいる最中も同様なのですが、いざ飛んでしまったらもう確認しないのが多いのでは?よくひげがT/O近くに戻って飛ぶときは吹き流しを見てとか飛びながら葉っぱの揺れている所を探しなさいと言っているのがこれですね。
(2)地形を読む
これも前項と同じ様な事ですが、その日の風向きによる地形の影響は大きいですよ、上げかシンクかと言うぐらいに、東風の時に山の西側に飛ぶとシンクにはまりますよね、でも良く見かける光景です、地形による風の変化をもっと真剣に考えて下さいね。(これは本当に多いですよー)リッジソアリングでも毎回何時でも同じ所を飛んでいませんか?もう少し何かを考えて。
(3)その他の色々な情報を得る
トンビがセンタリングしているのを見ることが有りますが、必ずしっかり上げますよね、サーマル雲でもそうですね、でもそれを見て有効活用するか見逃しているかでは大きな差です、飛びながら色々な情報を出来るだけ得ましょうね。
2.機体性能を有効に使おう
(1)効率的な飛行速度
航空機でもパラグライダーでもその翼型によりある速度による揚力の発生は決定されてしまいますし一定です、特定のパラグライダーの滑空性能と速度の関係は、そのぱらのポーラカーブを見ることにより理解出来ますが、本当に効率の良い所で飛んでいるでしょうか?、ソアリングしているのに速度が速くありませんか?両方の均等なブレイク操作はイコール速度コントロールなのですが、最低沈下速度及び最良滑空比の時の速度等ちゃんと理解出来てその操作が出来ないと良い飛びには結びつきませんよ。
(2)ロスのない効率的なFLTとは
折角の上がりをローリング&ピッチング&旋回時の過大なバンクで無駄にしていませんか?傾けばそれだけ投影面積が減り翼面荷重が増え高度をロスします、又水を張ったシンクの中をお皿が沈むのと同じように前後や左右に揺れると沈みが早くなりますよ、お皿が水の中で真っ直ぐ下に降りないのと同じようにね。
3.チャンスを有効に
もしサーマルが有ったとしても通り過ぎては、ただのピッチングをともなった揺れにしかなりませんf(^^;、もし有った場合それを有効に活用できるか出来ないかでは大変な差になります、実を言うと練習生の方はこれが1番多いのかも知れないと思うぐらいです、こればっかりはどれぐらいの大きさでどっちに回すかと言う事までその日のコンディションにより変わりますので経験による他は無いのです、練習有るのみですね。トライして下さい。
4.結論として
以上のような事の総合的な集積によりパイロットの方は、差ほど良くないコンディションの時(リッジが取れなくても)でも、前に出て数少ないサーマルの機会をしっかりとらえて大空高くFLTする事が出来るのです、だから他の人のFLTをしっかり見て何処でどの様にして飛んでいるのかと言う事を理解することも大事ですよ、前に進まなくなったらもう1回周りの人のFLTをよく観察してみて下さい、自分個人の飛びだけになっていると変化がありませんから当然進歩も有りません、少しずつでも変化(進歩)することが大事なのです。

お勉強講座その63(2002/10/22)
ぱらぐらいだーの飛行理論(旋回について)
皆さんのレベルがかなり上がってきましたので、ぱらぐらいだーの飛行理論の方に入って行きたいと思います、航空機やハンググライダーで飛行される方は、ぱらぐらいだーの飛行に関して「何でかな?」と思うところも有ると思います、そうですね航空機等はバンクを取ったら当て舵の後操縦桿はニュートラル位置(中立)に戻し今度は降下しないように操縦桿を引いてから速度低下しないようにスロットルを足すと言う様な動きで旋回するかと思うのですが、ぱらぐらいだーの場合は旋回している間はずっとブレイクコードを引いているという特徴があります、航空機でずっと操縦桿を倒しておいたらエルロン・ロールでひっくり返ってしまいますがf(^^;、何故なのでしょうと言う事で今回の説明です、今回の内容は非常に高度なので訳の分からないひげの説明では無く非常に良い資料がありますのでそちらの方を見て下さいね、このファイルはPDFファイルなのでAcrobat Readerと言うソフトがインストールされていないと見ることが出来ません、最近のパソコンは本体の説明にもこのソフトを使用している場合が多くインストールされているのではと思いますが無い場合は、書店のCDの付属している本にも付いている場合が多いソフトです、フリーソフト(無料)です、インターネットでは http://www.adobe.co.jp/acrobat/ にも有ると思います、それではどんな内容か楽しみに見て下さいね(^^)
パラグライダーの旋回メカニズム

お勉強講座その62(2002/10/7)
もう1つ上のレベルに!(ぱらをコントロール)
飛行物体の3軸の運動にロール,ピッチ,ヨーが有るのは皆さんご存じの通りですが、パラグライダーの飛行の安定はこの3つの軸に対してどの様な関係に有るかと言うとピッチとロールに関しては振り子安定ですよね、キャノピーに対して荷重の重い人間が下にぶら下がっているので傾いても元に戻ろうと言う働きですね、ヨーに関しては左右の空気的な抗力(抵抗)による安定です、ぱらの正面から見た左右の断面積とかラインの抵抗によるバランスですね、片方が前に出ようとすると抗力(抵抗)が増えて押し戻されますし、後ろに下がる方は抗力(抵抗)が減少し前に出ようとします、最近の機体はラインが細く又少なくなってきていますので自己安定が減少していますので、他の要因で安定を保つ必要が有るでしょうね、まぁこれはデザイナーの方の考える事でしょうが(^^;
 以上の事でぱらは、傾いたりしても自分で元に戻ろうと言う自己安定を3軸ともに持っているというのはお分かり頂けたと思います、だから荒れた様な時にはフルリリース近く状態で飛行するよりも、少しブレイクを引いた感じの方が自己安定が増し、振れの減衰も早いと言う事です(抗力及び減衰力の増大)、翼の潰れに対する感覚も直ぐ分かりますしね。所が自己安定だけに頼っていたのでは何時までもふらふらしてとても安定した飛行とは言えないので人が積極的に安定するように操縦するのが普通です、上手な方はどんな時にでもあまりキャノピーを揺れさせないので見ていても非常に安定していますよね。
 上記の為の練習がピッチングやローリングを故意に作り出し、それに対する対処を練習している通りですが、もっと効率良く集中的にこの練習をするためには何が良いかと言う事です、その為には自己安定を無い状態にして人の操縦だけでぱらを安定させる練習をすれば良いのですよね、そんな事ができるの?と思うでしょうが身近に有るのですよ、それはL/Dでもトップランでも降りても直ぐにキャノピーを降ろすのではなく、そのまま維持して、自分の目標とする所までハンドリングして持って行く事です。そうです!操縦による自己安定の練習はグランド・ハンドリングに有るのです、FLTの上手な方は必ずグランド・ハンドリングも上手な筈です、クロスハンドでの操作では有りませんよ、通常のFLTと同様のフロントを向いた姿勢でのコントロールです、ライザー・テンションとブレイクによる感覚だけでぱらを見ずにコントロールする能力です、これは飛行状態と同じになりますし、足が地面に着いているので振り子安定は使えない状態になっています、キャノピーを地面に落とさないと言う事は言い換えればキャノピーを常時自分の頭上に維持すると言う事に他ならないのです、前にシュートさせない、左右に傾けない、後ろに落とさない!、そうですよね、常に頭の上に維持すると言う事です。
 ぱらの安定した安全な飛行は、飛行速度の維持とキャノピーを頭上に維持するこの2点に集約されます(ライン・テンションの維持とか人とか山にぶつからないと言うのは当然なのでね)、逆に上手でない方は、グランド・ハンドリングで暫くの時間も頭上に安定して維持できないと言う結果になります、だからT/O前の立ち上げを見るとその人のレベルが分かると言うのもあながち間違いでは無いのですね。
 現在の倶楽部の練習は、FLTできるコンディションの時は出来るだけFLTをと言う考えで動いていますから積極的にグランド・ハンドリングの時間を設けると言う事はしませんので前述の記載のようにL/D&トップラン及びT/Oの時をとらえて練習するようにして下さい、そうすればいつまでもキャノピーを前に落とすような状況にはならないでしょうしね(にゃは!)、そぅそぅその前にちゃんと立って降りないとお話にならないよf(^^;。

追伸:お勉強講座その23にも似たような掲載がありますが、今回のは具体的練習方法を入れ、現在の皆さんの練習段階と実状に応じた記載です。
おまけ!
質問:風の強めの時(5m以上)のクロスハンドT/Oは、浮き上げられるのを防止する為(リフトコントロール)で山に駆け上がるようにしてT/O動作しますが、風の弱めの時(3m以下)のクロスハンドT/Oに於いてもひげは強めの時と同様に山に駆け上がるようなT/Oが良いと思っていますし、やっています、さて何故弱めの時も同様の動作をした方が良いのでしょうか?

お勉強講座その61(2002/9/27)
風を考える その2 (ウインド・グラディエントと吹き抜け)
上空に風が吹いていても地表面に近づくに連れて段々風が弱くなり完全な地表面では風は0m/sになると言うウインド・グラディエント(wind・gradient=風の傾斜)については皆さん当然ご存じの筈ですが、じゃーだからどうするの?と言う話になると変わってくるのではないでしょうか、実はここが1番大事なところなのですけどね、1番良く話題に出るのがL/Dの時で急な風の変化(減速)に対応できるように、昔の教え方と現在は変わって着陸前はある程度速度を付けて飛んで最後しっかりフレアーをかけるという風に変わっていますよね、具体的に言うと高い位置で速度を落とすためのハーフ・フレアー操作はしないと言う事です、着陸前の高い位置からの失速落下事故が多発したのでハーネスが現在の様に進化したのでも分かるとおりです。トップランディングの時もまだ高い位置では同様の配慮が必要になります。
 ランディング以外でも地表面(山も含む)に近づく場合は同様の配慮が必要です、リッジソアリング等で山肌に近づく場合にはいつ風が弱くなっても対処できるように考えた飛行が必要です、具体的に言うと平面的な山頂では谷に逃げにくいので高度を取ってからでないと行かないとか、リッジで山に寄れば寄る程、しっかり谷向きの編流で飛ぶ必要があると共に必要で有れば谷側荷重と山側ブレイク操作で山に寄り飛行してとっさの場合にブレイクリリースのみですぐに谷に逃げるような配慮もしておかないといけないと言う事です、特に山肌は木や地形の影響により板の様に平らでは無いので風が整流されません、くぼみや出っ張りが有れば当然それに応じて風は変化をします、リッジする山肌の木が途中一部分伐採して無いと言う場合も同様です、この場合は風速の変化もありますが風の流れる向きと流量も変化します、俗に言う「吹き抜け」の現象ですね、その様な状況でいつものように何も配慮しない飛行をした場合はどうなるでしょう、流速の増大で後ろに流され且つ降下して下手をすると山沈ですね、谷とか出っ張った地形の左右の場所でも同様な配慮が必要になります、風が収束されたり、地形により加速されるような場所は注意が必要ですね。
 特にパラグライダーも対気速度による揚力で飛行しているのですから、フォロー飛行の場合はアゲインスト飛行に比べてより注意が必要なのは当然ですね、色々な事例を再考してみると山沈及びそれに近い状況になっているのはフォロー飛行の方が圧倒的に多いです、フォロー飛行の場合は、より速度を持った飛行と安全マージンを大きくとる事が飛行安全に繋がるでしょう。目で見える対地速度ではなく肌や風の音で感じる対気速度の方が遙かに重要なのです、人はどうしても見た目の速度で飛行速度を落としてしまいがちになるので注意が必要です、又自分では速度を落とすつもりが無くてもターン操作等でブレイク操作をしてしまったら同じ事です、連続的な操作は特に注意が必要です。
 又パラグライダーの場合には特に間違いやすいのが旋回に於けるバンク(傾き)です、釣り合いのとれた旋回というのは、その旋回に対応した遠心力に相応するバンクをとった旋回(つり合い旋回)が本当は必要なのですが、バンクの少ないフラットな旋回をした場合は外滑り旋回に、逆にスパイラル等でバンクをかけすぎた場合には内滑り旋回となり、軟翼のパラグライダーの場合は、外滑り旋回の場合は外翼が・内滑り旋回の場合は内翼が潰れやすくなるのは当然理解できると思います、航空機の場合は旋回傾斜計(下図参照)にオイルの入った円筒形の筒の中にに丸いボールが入っていて釣り合いのとれていない旋回をするとそのボールが外側又は内側に移動するので外滑り・内滑りが一目で分かるようになっています、バランスの取れた旋回に心掛けて下さい。
実機の教程からの旋回傾斜計の部分の説明です、航空機のパイロットはこれを確認しながら旋回します。
パイロットは感で適当に旋回しているわけでは有りませんよ(^^;、右下の図の旋回を維持しています。

 今回のお勉強講座を機会にいつも飛んでいる場所とか、今まであった事象をもう一度良く考え直すと色々な事が理解できるようになると思います、過去の出来事をむやみに怖がる事よりもしっかりとした原因を究明することがその後のFLTにとっては大事です、より深い理解と考察がより安全なFLTをきっと約束してくれるでしょう。
<追加事項>
この前エリアで質問が有った事項で一部の方にはその場で説明しましたが、よく「上がりがあったらそこで旋回」と言う話をしますが、それは旋回がどうしても高度低下を伴うのでリッジソアリング等で高度を維持する為には、上がる場所で旋回する方がベターなのです、但し大きなピッチアップ(ピッチング)を伴う上昇の場合には、先にピッチングの方をしっかり対処してキャノピーを頭の上に戻してから、その後に旋回動作に移ります、そうしないと急激なアタックアングル(迎え角)の上昇により失速又はスピンに入ってしまいます、上げの強さの状況によるのです、これから冬場になり朝と日中の温度差がより大きくなってきますので益々サーマルが強くなりますので対処を間違えないで下さいね。

南宮崎パラグライダークラブ




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