九州、宮崎県の南部を中心に活動するクラブです。

お勉強講座 其の5

空を飛ぶと言う事は、子供の頃からの夢でした、それが現実となり非常に嬉しいです、ただ人間は本来飛ぶと言う事を鳥みたいに本能的には習っていません、だから鳥に近づくにはそれなりの知識が必要になると思います、少しでもトンビに近づくために色々な事を学びましょう(^^)。
 万が一間違い等がありまして気づかれた方はひげまでメールで教えて下さい、よろしくお願いします。


お勉強講座その50(2002/4/23)
運転免許証と技能証
車を路上で運転する場合は、必ず運転免許を取得し携行すると言う事になっています、取得していないと無免許運転と言う事で悪質な違反となります、しっかりした運転の基本を習っていないで路上を走ると言う事は「動く凶器に近いですよね」、ただ自動車学校に行き運転免許証をもらっても決してまだ上手な運転とは言えないのが普通ではないかと思います、取得後どんどん実際に走ってより上手くなって来ますよね。
 これはどんなライセンスを取得するに当たっても同様の事が言えるのではないかと思っています、ぱらの技能証も同じようにそれぞれの段階「練習生A級」「練習生B級」「ノービスパイロット」「パイロット」に応じて一定の資格要件に達していると言うのを証明してくれますが、それぞれに終わりと言う事では有りませんので、より上のレベル又は経験と習熟の域に達するまで頑張ることが大事ではないかとひげは考えています、この事は当然皆さんも御存じだとは思っていますが、敢えて何故この様な事を又書くかと言うのは、本当に日々のFLTが自動車学校のカリキュラムの様に1つ1つ上にレベルUPするような事をはたしてやっているのかなと言う危惧が有るからなのです、有る程度飛べてくると単純に飛ぶ事だけを楽しみにしてはいないだろうかと言う事です、確かにパラグライダーは趣味のスカイスポーツなのでそんなに難しいことを言わないでも良いじゃないかと言われる方もいるかもしれませんが、例えばアイススケートで滑れるけど止まれない人は怖いと思います、ぱらの場合も1回T/Oしてしまえば、最後は必ず安全に降りてこなければならないのですが、果たしてどの様な状況でも降りることが出来るでしょうか?、実際の航空機の場合では緊急手順の出来ないパイロットが飛ぶと言う事など有りませんし、また訓練段階では後席にベテランパイロットが同乗するのが当然ですが、パラグライダーの場合は一人で飛んでしまうのです。だから安全な環境をチェックしてもらって飛んでいるので有れば、単純に飛ぶと言う事では無く、少しずつでも前向きな事をやらなければいけないのではないかと思います。そうしないと単純に飛行経歴だけは伸びても技術の向上は望めないでしょう、何も考えてやらないのだから、経験は当然増えるので無意味と言う事では有りませんけど。
 今日の結論:楽しみながらでも良いから、少しずつ自分の技能レベルを上げる為の努力をしましょう、その為には何かを考えましょう、分からないことは質問しましょう。特に練習生のレベルでは。又ノービス・パイロットやパイロットになってもより以上の領域に達するように継続して楽しみながら頑張って下さいね。

お勉強講座その49(2002/4/16)
あきちゃんは、何故浮きが良いの?
良く聞く言葉に「あきちゃんは浮きが良いな」「高いなー」と言う言葉を聞きますが、それには必然的な理由が有ります、それはそのぱらの制作された時代のニーズが変わってきているので設計もそれに合わせて変わってきていると言う事です、例えば高速志向とか、安全志向とかです、逆に昔はゆっくりふわふわ?(^^;、取り敢えず以下の表を見て下さい。
保有者 ぱら名称 翼面積
(フラット)
投影
翼面積
最小
装備重量
最低翼面
荷重
最大
装備重量
最高翼面
荷重
投影面積X3kg
で計算した時の
必要装備重量
(参考値)
あき ビジョンXS 26.9 22.9 50 2.2 70 3.1 68.7
純太郎 VクラッシックS 26.2 23.8 70 2.9 90 3.8 71.4
ゴウジン アトラスM 28.0 25.4 75 3.0 95 3.7 76.2
見てもらえば分かるとおり、翼面積(フラット)では純太郎君のSサイズよりあきちゃんのXSの方が大きいのです、ビジョンのSサイズでは28.7uにもなります、Sサイズでですよ、75−95kgのゴウジン君のぱらよりでかくなります。但しあきちゃんのぱらは投影面積的には純太郎君のぱらの方が大きいですけど、ただし最大・最小の適正装備重量に関する値がかなり異なります、と言う事は何が違うかと言うと翼面荷重がかなり異なると言う事です、だからその事に注意して飛行しなければいけないと言う事になります、一般的には低翼面荷重のぱらは、高速飛行には向きませんし(強風注意)、揺れにも敏感だと言う事です(乱流注意)、だから体重の軽いあきちゃんはツリーランセットも積んで他に常時水ウエイトを4kg積んでいます、皆さんも自分のぱらをメーカーの表示する値にだけ気を取られずに、広範囲に物事を考える必要性があるのではないかと思います、これを機会にちょっと自分のぱらも調べて見ませんか?(^^)、皆さんは「どちらが良いの?」と質問しそうですが、メーカーそれぞれの設計思想が有りますので、答えは適正な翼面荷重が良いとしかひげは答えられませんが、適正範囲の中で重めで飛ぶ方が良いぱらと軽めで飛ぶ方が良いぱらが有るのではないかと思います、それと自分のFLTの好みですよね、かなり大ざっぱで言えば標準は約3kg/u前後程度で、小さいサイズほど翼面荷重が軽くなり、又上級機ほど翼面荷重が大きくなると言う事だけは言えます。
 模型のグライダー等をされる方はこの事を良く理解されていると思います、ハンドランチやサーマル・グライダーとスロープ・スタント・グライダーではかなり設計思想が違いますから。
 と言う事で今日は自分のぱらを良く理解しようと言うのが目的です、又今後新しいぱらに更新しようと言う人がいますので参考になればと思いまして書きました、以前書きましたぱらの安全性と一緒に考えて自分の目的にあった安全な好みの良いぱらを選んで下さいね、決してL/DとかMinsinkだけで選んだらいけませんよ。出来ればウエイトを積まずに飛べる方が理想ですね。そう言えば先日ひげの頭の上を飛んでいたピンクのぱらもビジョンだった気がします(^^)、ちなみにひげのアルカスは27.0(22.6)uで65−85kgを78kg(3.45kg/u)で飛んでいます。

お勉強講座その48(2002/3/28)
Pailotコンディションってなーに?
ひげがよく使う言葉に「Pailotコンディション」と言うのが有るんですが、じゃーどう言うコンディションが「Pilotコンディション」なんだよーと思われる方もいると思いますので簡単に説明しますね、こう言う言葉自体は存在しないのですが出来るだけ皆さんに分かりやすいようにと考えた結果の言葉です、今の練習生の方も昨年の5月ぐらいから7月に掛けて、夕方近くでは無くちょっと早い時間から飛び始めたと思うのですが、最初にリッジバンドの中で部分的サーマルに入った時に「ワーッ」と声を出すぐらいびっくりした人もいたと思いますが、ちゃんと軽いピッチングの練習をするよと話して対処要領を聞いていても、やはり初めてなので声の方が先に出るものですよね(^^)、と言う事でどの様な段階でも自分が心の準備と対応動作の準備が出来ていないと、とても楽しいFLTとは言えなくなってきます、だから練習生の対処能力の許容を越えるようなコンディションと言う事で名前を付けたのでした。
  じゃー具体的にはと言うと
(1)水平に真っ直ぐ飛ぶのに常時ブレイクコントロール操作を繊細にしなければならない時。
(2)ぱらが不意に前に走ったり、前後左右に歪んだり不穏な挙動を示す時。
(3)サーマル及びシンク(上昇下降)が激しく又短期的に変化するし、その量が大きい時。
(4)上記3の影響に寄るのですが、サーマル進入進出による片翼潰れ、前縁潰れが起きる様な状況の時。
(5)T/Oの風が4m/s以上で、且つ偶に強めのブローが上がるような時。
他にも色々ありますが、代表的な物は大体以上でしょう。
  もしその様なコンディションでもし練習生が飛ぶとどうなる?と言うと上手な方は揺れをコントロールして何時でも自分がぱらの中央真下にいるように操作しているので、傍目には有る程度安定して飛んでいるように見えますが、手の動きとかが慌ただしいと思いますよ、だから練習生が飛ぶと木の葉のようにピッチング&ローリングして端から見ていたらとても怖く感じます、だから間違っても飛ぼうとは思わないで下さいね、もし自分がFLTしているビデオ見てそれに近いと思ったら自分で理解して下さいね。 ひげがダミーFLTの時にエアー・コンディションを目で見てもらおうと、ライザーを捕まえてブレイク操作しないでFLTする時が有りますがあれだとコンディション良く分かるでしょ、ぱらが揺れるから、安定している時は揺れないし、でもあんまり揺れると思わず腰が入りますけどね(^^;
 だから、ぱらが上手になると言う事は、色々な風に対して適応能力が上がると言う事で「風に人間の方を慣らして行くと言う事なのです」、と言う事で本当は怖いのに無理して怖くないとか言ったり、出来るかどうか不安なのに無理して出来ますと言ってはいけないのです、そう言う事をもしも言って教えている方が、この人はもうこれぐらいは大丈夫になったのかと間違った理解をすると大変な事になりますから、ぱらの場合は見栄や無理・自信過剰は「百害有って1利無し」と言う事です、理解しておいて下さいね。
 実は今日もPailotコンディションだったのですが、方翼潰れになりそう(テンション抜け)でシェイク1回、サーマル抜けるとき前縁潰れになった(なりそう?)でダブルシェイク1回、センタリングしている時は翼端は頻繁に「バサバサ」言ってます(^^;綺麗にサーマルの中心に入っていないからでしょうけどね、ひげも昔のが脳裏に有るのかf(^^;、最近スパイラル系に入るのがちょっと怖くなって来ているので、少しずつ練習して慣らさないといけないなーと考えています、昔は降りてくる前はクルクル回って遊んでいたんですけどね、怖い物は怖い、それで良いと思います、本当の事なのですから、自分に嘘をついてはいけません。

お勉強講座その47(2002/3/22)
風と仲良しになるのが上達の方法(^^)
ぱらにとって風向きと風の強さと言うのは、非常に大切な要素になりますが、それは皆さんも十分に理解されていると思います、いつも僕達の希望の通りにはなってくれませんね、それでも楽しくFLTするためには風と仲良く付き合って行かなければなりません、間違っても風と喧嘩してはいけません、喧嘩すると言っても話をしてくれる相手ではないのですがね(^^;、言葉を換えると逆らってはいけないと言う事でしょうか、風を理解して風に従うと言う気持ちが大切でないかとひげは思います。
 1番良い例は立ち上げでしょう、風向き風の強さに応じてフロントでとかクロスでとか換えますし、引っ張ったり下がったり、ライザーテンションが何時も一定になるように立ち上げると綺麗に立ち上がりますよね(^^)、と言う事で立ち上げの時は皆さんかなり気を使って風に対応してくれますよね、でも本当はその後のFLTに対しても同じくらい気を使って欲しいのですが飛んでしまったら、こっちの物だと言う具合で気を使っていないのではないでしょうか?(備考:この話はうちのクラブの練習生相手の話ですので。一応ね)、飛び出して浮かんでしまうとほっとするのかもしれませんが、本当は立ち上げ以上に気を使わないといけないとひげは思います、ましてより高くより長く飛びたいと思うので有れば、そこでこれから風と仲良くなりたいと思う人にちょっとでも参考になれば良いなと思うことを少し書きますね。
1.飛びだした後も、常に風を観察すると言う心がけを忘れないと言う気持ちを持つことがまず1番ですよ。
2.T/O後もT/Oの吹き流しは勿論、笹の揺れ、葉っぱの裏返り、煙のたなびき、飛ぶ方向による対地速度の変化等色々な事を注意深く観察しなければいけません、それも時間と共に短時間で変化しますから、さっきはこうだったからと言うのは当然通用しません、自分が飛んでいるその時間の状態の確認が必要なのです。それを感じることによりFLTルートの考察をして飛ばなければなりません。
3.もしも先にダミーさんが飛んでくれるので有れば、そのFLTを全て注意深く観察しない人は上達は絶対しないでしょう。(その日のコンディションを実際に知る得る絶好の機会なのですから)
4.自分がダミーになる方は、1番に無理をしてはいけません、これなら自分で大丈夫と言う自信がある時にダミーしましょう、但し飛べると確信した時には自信を持って飛び出しましょうね。
4.立ち上げ練習生へ:慣れてきても基本は基本です、しっかりと風向きに正対して、基本の通りに正しく綺麗に!ぱらを自分で広げて(他人に任せない、例え他の方がお手伝いしてくれても再確認する)、しっかりとラインを確認して中央に立ってちゃんとしたライザーの保持で真っ直ぐに立ち上げましょう、そうすると今までの悩みは全て消えると思います。(上手くいかないからと、色々とやり方を変えるのは余計泥沼に入ってしまいます)雑な広が方で風もしっかり見ないでライザーテンションの確認も好い加減で適当な方向に走るのでは綺麗に上がるわけがありません(^^;当然の結果です、前出来たので有れば基本に帰りましょうね。
 最後になりますが、今回の結論は、風と仲良くするには風に対して色々と考えると言う心がけを持つと言う事が全て関して大事だと言う事です、だからひげは時偶飛びに来ている人に今日の気圧配置図と風向きを質問するのですが答えられない人とはその後話する気がしなくなるのです、何故だか分かりますか?、その方は飛ぶ心構えが全く出来ていないからです。

お勉強講座その46(2002/2/18)
より高く・より長い時間飛びたい!!
この課題は、ぱらでFLTする方には究極の目標なので、僕なんかレベルで話しする様な内容ではないと思います、竹ちゃんだったら良いかな(^^)でも一言で言われそう「腕だよ腕!」って、と言う事で以降書いている内容は練習生向けにと言う事でPilotの方は目をつむって下さいね(^^; と言う事で意見は受け付けません。又サーマルセンタリングは練習生レベルでは有りませんので詳細は省きます。
本題に入って、じゃー高く飛ぶためにはどうしたら良いか、簡単です(^^)「上がるところで飛ぶ!、上がらないところでは飛ばない!」えっ、そう言う内容の事なんですかー?、はい、実はそうなんです(^^;でもちゃんと理由と説明を付けてね。下の風洞実験の図を見て下さい。
HANG GLIDER 鳥になる本(光風社書店)より転載  昔使ってたハングの本も為になります(^^)
山に当たる風により風向きが変化する様子が見えると思いますが、通常山飛びの場合は、ほぼ正面の風で山の山頂付近からT/OしてFLTしますが、風によりリッジバンドが出来て先ずはそこでリッジソアリングしますよね、水平に吹いてきたと仮定して、赤・黄・緑のどの地点が高度が高く上がれるでしょう、緑の地点は直ぐ上で風は水平成分に変わっていますね、と言う事はそれ以上は上がれないと言う事です、と言う事で結論的には山頂というか尾根線のが一番高いところまで上昇成分の有る風が吹いていると言う事です、リッジソアリングをしていて前方に出て上がらないと言う人は当然の結果です、考えて飛ばなければいけません。
 但し山の風下側を見てもらえば分かるとおり、風下にはローター(乱流)が有ります、間違っても山頂高度で後ろに下がってはいけません、下がるつもりがなくても風が強い場合には流されてしまいます、だからエリア管理者又は安全管理者が前で飛びなさいと言う様なコンディションの場合は赤い印の所まで飛んではいけません、見当としてはフルグライドで前に出にくいような時はもうダメです、アクセルはあくまでも常用するつもりで飛んではいけません、風の強くない時でも後ろに下がる範囲は、赤い直線で引いてあるように飛んでいる自分から前の斜面が見える範囲と言うのが条件になります、後ろに下がる気流が下降していますよね。(風が山の影響を受ける範囲で、それ以上の高空では関係なし)ここまですると取りあえずリッジソアリングでは1番高いところにいけると思います、南郷で飛ぶ時はリッジソアリングして高度を稼いだらT/O上空を飛びなさいと何時も言っていますよね。でも後ろに下がっちゃダメだよー。これ以上に上空に上がるためにはリッジバンドの中でサーマルを探して、粘って回して上がって行くと言う事になります。リッジではここまでが限界です。
 えっまだ他の人より高度が低く上がれない(^^;、うーんそれは次の課題の「高度が下がらないような飛び方をする」になりますね(^^)、同じ様なリッジバンドにいてもなかなか上がれない人は飛び方に問題があります、高度をロスしていると言う事ですね、じゃーどんな場合かと言うと。
1.上がりの無いところでターンをしている(旋回は基本的に高度ロスです)あそこまで行ったらと考えず、手前でも上がりの有るところで回りに気を付けてターンしましょう。
2.効率の良い速度(最小沈下率に近いところ)で飛んでいない(他のぱらに追いついていませんか?)、1回ぶっ飛びコンディションの時、バリオ見ながら少しずつブレイク引いて場所を確認しましょう。でも引きすぎには注意ね、失速しますよ、他の人と同じぐらいの速度でね。特に風下に下がるときには。
3.ターンする時にバンクをかけすぎる、バンクをかけると言う事は投影翼面積を少なくすることですから垂直成分の揚力は減少してしまいます、旋回に必要最低限のバンクがソアリングには大事です。
4.同様に体重移動していないので手だけのブレイク操作で旋回していて引きが大きく速度低下及び・抗力増大で揚力の減少を引き起こしている。バンクは体重移動で最小限の角度に足りないときはブレイクを少しね。(必要以上の速度低下も高度ロスに繋がります)
以上の様なことに注意して飛べば貴方も皆さんと同じ高さに行けますよ(^^)、それでも届かない時にはコンディションが違うのだと勝手に思いこみましょう(^^;、間違ってもぱらのせいとかにはしないでね、ぱらがかわいそうですよ。幾ら高性能機でもコンディションには敵わないのですからね。確かに腕と高性能機とコンディションが重なれば向かうところ敵なしと言うところでしょうが、それは後での楽しみに取っておきましょう(^^)
追加:上の図を山の水平断面だと思って下さい山の左側から風が吹いている図になりますよね、そう言う時に山の右側(ローター側)に飛ぶのは、どうなんでしょうね?西風の時に東側に飛ぶとか、何回言っても聞かない人は潰れて落ちてしまえと思うのですが、落ちたら落ちたで回収が大変ですしね。前になかなか出にくい様な飛びを見る度に何を考えて飛んでいるのだろうと感じます。自分が落ちるまで分からないのかな?。意味としては山の裏側に飛んで行ってるのと同じなんですが水平だと危険を感じないのかな?。Pilotになって自分の責任で飛ぶのなら良いけどね。この話しも山の影響を受けない上空では関係ありません。ほんの愚痴です(^^;

お勉強講座その46(2002/1/28)
交通三悪とぱら三悪
ドライバーとして車を運転するのにやっては、いけないこととして交通三悪ってありますよね、確か「飲酒運転・無免許運転・悪質な速度違反」てのが、他にも当て逃げ・ひき逃げ何て言うのが有りますが論外です。
 ぱらにもぱらの操縦者として飛行している時にやってはいけないぱら三悪があるとひげは思っています。
その1.失速 ぱらも飛行物体なのですから、その飛行そのものを継続できないような操作は三悪の1つに数えても良いと思います、DHVのテストパイロットか木崎湖でマヌーバートレーニングを数こなした様な猛者か、上空でストールを再三見せてくれるようなsubイントラの竹ちゃんレベルでは無い限り、L/Dする時以外に速度を失速速度まで殺すのは絶対良くないですね、フルストールで無くてもディープストールもフラットスピンも同様の理由から良くないです。
その2.フォローランディング(無風・超微風の時はフォローとは言いませんよ)お勉強講座その18に書いてあるのですが、衝撃は速度の二乗に比例すると言う事で、タイヤの付いていない人間の足では、着陸速度に当然限界があります、装具を付けて貴方の一番早く走れる速度が最大着陸速度です、時速何km(何m/秒)まで走れますか?、失速速度が21kmとして3m/sのフォローで降りたら何km/hの速度で降りるのでしょうか、またその速度で走れますか?、走れなかったら、転倒もしくは激突と言う事になります、同様の理由で旋回しながらの着陸もダメですね、トップL/Dでも状況は一緒です、山に近いところで偏流を使わずに山に向かって飛んでませんか?、と言う事でこれも良くないですから三悪の1つでしょう。
その3.敢えて気流の悪い所(危険な所)を飛ぶ 勿論、飛べないようなコンディションで飛ぶと言うのは論外ですよ、皆さんは、私はそんな事は無いと思いでしょうが、多分1番多いのがこれでしょう、1番目の理由は判断の認識が甘いと言う事、2番目の理由は、そこまで考えなかった、3番目は知らなかった(これは困る)だと思います。当然気流は常時変化していますから、考えを越えるような急激な変化をする場合も有りますが、それはこの件には入れないでおきましょうね。参考に悪い例を挙げると
 1.強めの風なのに尾根線を飛ぶ(高度が低いのに尾根線を越えるのは最悪)「前に出ろ」と怒鳴られます
 2.強めの風なのに左右の稜線の近くを飛ぶ(稜線の真横まで行ったら最悪)「そっちまで飛ぶな」同上
 3.横の強めの風でT/Oより風下側で飛ぶ(裏近くまで回ったら最悪)「T/Oより右へ(左へ)飛ぶな」同上
 4.前方の飛行経路に山があるとして、その風下側で低い高度で飛ぶ(山より低かったら最悪)
 5.横風の時、前方の尾根線の風下側で飛ぶ(ずぶって降りる人はこれが多い、潰されないだけましだけど)
飛んでいてエリア管理又はFLT管理の方から「そっちで飛ぶな」とか「前で飛べ」と良く言われるような方は気を付けましょうね、ずぶる位は可愛いけど、流されたり、潰されたり、ツリーランしたりすると最悪ですよ。
後書き:敢えてこの3つをぱら三悪としたのは、車の場合もそうですが、この3つとも不可抗力では無く確信犯だと言う事です、「やろうとしてやっている」と言う事が三悪にした理由です、自分で動かさない限りその動きはしないのですから。

お勉強講座その45(2002/1/18)
飛んでる?、飛ばされている?(貴方の実力チェック!)
前回からの続きです、前のを読んでいない方は、先に44を読んでね。
ある程度飛んでくると、自分はちゃんと飛んでいると言う錯覚に陥りますけど本当にそうでしょうか?、自分でちゃんと飛んでいるのではなく、ぱらに助けられて飛ばされているのではないでしょうか?、と言う事で自分は何処まで出来ているか下のC/Kリストで考えて下さい、出来ていなければ何かを練習しないといけないと言う事ですね、楽しむだけで意味無く飛ぶのではなく。(但し、楽しむと言う事も大事な要素では有りますけどね)

1.いつも安定したT/Oが出来ていますか?、またその自信は有りますか?(0m/s−6m/sの風で)
2.飛ぶ前に大凡の飛行ルートの計画が頭に入っていますか?、最終的にはL/Dの事まで。
3.他の人がダミーで飛ばなくても、自分で風を判断できていますか?、又判断しようと心がけていますか。
4.飛んでいる間に不測事態のことが頭に入っていますか、又その対処がスムーズに出来ますか?
5.自分のぱらの性能諸元を理解し、効率的で尚かつ安全なFLTが出来ていますか?
6.空中(リッジ&サーマル)でも機体性能を理解して、上手く飛べてますか?(早く沈下してませんか?)
7.降りるときは、いつも安定したトップL/D及びL/Dが出来ていますか?(トップL/D逃げてませんか?)

こう書くと皆さん「うーん」と考え込んでしまうのではと思ってしまいます、と言う事はパラグライダーは趣味のスポーツ(遊び)では有りますが、空中を飛翔すると言う特異なスポーツなので、他の事と違って「ちょっと止まって考える」と言う事の出来ない「待ったなしの世界」だと言うのが他の趣味との大きな差違だとひげは思います、飛び出してしまったら最後は自分の足で降りなければどうしようも無いのです(^^;、と言う事で皆さんは終わりのない永遠の趣味の虜になってしまったと言う事でしょうか(^^;、そうであればいつまでも練習は続くと言う事です、それが証拠にジャンボのPilotでも毎年技量維持訓練しますし定期的にC/Kもあります(身体の適性検査まで!)、ぱらでも90年6月にPilot証を取った亀さんが今でも僕達と一緒に立ち上げ練習したりしているのと同じだと思いますよ。
今日のまとめ:自分は出来ないと言う事を理解するのが、出来るようになる為の第1条件でしょう、だからと言って急に実力以上の事をやると怪我しますよー、あくまでも段階を踏んで徐々にねー(^^)
本音を言うとひげもまだ全部できないもーん(^^;、本当にぱらは奥が深いなー!本当は僕も他の人の面倒を見ている場合では無いのかもしれませんねー、さーひげも練習・練習!ガンバ!楽しんで遊びながら(^^;

お勉強講座その44(2002/1/16)
飛ぶと言うことに関して(前向きな心)
FLTすることは、確かに緊張感もあり爽快感も有り、そして楽しみでもありますが、エア・コンディションにより上がらなく、ぶっ飛びの様な環境の日も有ります、でもその様な日にも大事な事がいっぱい有るとひげは思います、例えばその様な安定した状況で有れば自分の機体のMinシンクを確認のため、前方を注意してバリオを見ながらゆっくりと少しずつブレイクコードを引きMinシンクの時のブレイクコードの位置が自分の体でどの位置にあると言う事を確認したり(でも引きすぎに気を付けてね)すると、その後のソアリングが一変して来ますね、機体性能でMinシンクを0.1上げるのは大変なことですが、この方法を会得すると0.1−0.2は軽く上がるでしょう、ポーラカーブを思い出して頂ければわかると思います、但しいつものFLTでは安全マージンを取ってちょっと少な目に引いて飛びましょうね、この様に如何なる時でも目的を持って飛ぶと言うことは非常に大事な事です、漫然と飛ぶとぶっ飛びコンディションはつまらないとか言う様な感じになってきますよ。
 特に練習生のうちは、1つ1つのFLTにしっかりFLT目標を持って飛ばないとレベルの向上は望めませんし、又同じ様な飛びだけを毎回しているとマンネリしてつまらなくなってくるでしょうでしょう、最近B級を取った方にはT/Oするときに「誰々出ます・右に」とか「左に」とかコールして貰うようにしていますが、これも飛ぶ前に自分の頭の中でFLTルートを計画して「この様に飛ぶつもり」と言う計画の元にその様に飛んでもらうという目的が有ります、そうする事により実際のFLTが計画したFLTとは違った時に色々考える材料になりますし、将来的には風を読みきって思ったようなFLTが出来るようになってくると思います。
 この様に向上心を持った方のFLTレベルは、加速度的に向上すると思いますが、漫然と飛ぶと経歴だけは伸びるけど技術レベルは伸びないし満足感も無いし、コンディションにより楽しさが変わってしまうと思います。
今回の結論:満足感有る楽しいFLTの為には、練習目標を持って計画的なFLTで飛びましょう、又その為には他の人に出来て自分には出来ないと言う所をしっかり理解して、それを少しずつ段階的に継続して練習する事が大事ですね、その為にはいつも飛ぶと言うことに関して前向きな心が1番大事ではないでしょうか。

お勉強講座その43(2002/1/8)
エア・ルールに無いエア・ルール(心のエア・ルール)
航空機でも船舶でも自動車でもそれぞれに走行ルールが有ります、右側通行とか歩行者優先とか色々、これは一定のルールを定めていないと事故が起こる可能性が有りますので必ず守らなければいけません、ぱらのエア・ルール(トラフィク・ルール)に関しては、お勉強講座その5に書いてあるのですが再度確認の意味で記載します(ちなみに、これは国際共通ですよ) 
 進路が交差する場合は、右側優先(左側が進路変更する)
 正面で向き合った場合は、双方右によけて回避します、但し山肌ですれ違う場合は山を左に見る方の機体が右によけて進路を譲ります(相手は山があるので右によけられない!)
備考:明らかに山に近い場合は、山側が優先(明らかに山から同一距離でない場合)
 他のパラグライダーに背後から追いついた場合(性能・技量の差等により)、右側から追い抜きます
 低高度優先、ランディングアプローチの場合は、高度の低い方に優先権があります、高度の高い方は同時進入にならないように高度を維持します。
 同一空域でのセンタリング(旋回)は、先に旋回動作に入っている機体と同一方向に旋回する。
 低速機優先、他の航空機と一緒にFLTする場合は高性能(スピード・機動性大)の方が進路を譲ります。
  例:気球>ぱら>ハング>グライダー>動力付きグライダーの順番となります。
  ぱらの場合で言うならば、タンデム優先・練習生優先と言った所でしょうか。
JHFの教程には、他に下記のような記載もありますが当然でしょう。
他の機体の前に割り込んではならない:他の機体のコースを阻害したり、他の機体の直ぐ前を飛行してはならない。後流を与えることになり危険だ。
アイコンタクト(相互視認)の重要性: 飛行中に近くを飛んでいる機体には注意が必要だ、他機の飛行コースを良く見て進路が重なりそうな場合は、お互い良く見て、声を掛け合ったり進路を指さしたりして自分のコースと相手のコースを確認し合うことが大切です。(相手に自分の行動「進路」を分からせる
ちなみにひげは、相手に分からせる為に、指さしたり・旋回動作の真似をします(左右の手の上下)・体重移動
でも、一番大事なのは、回りの警戒監視良く見る!)と言う事と、相手に対する気配りでしょう、自分の行動がはっきり他に人に分かるように自分が注意する事と、お互いに譲り合いの精神が一番大事でしょう、自分の事だけ考えた行動(回り無視又は未確認)は、どんな場合でも危険極まりないと思います。ちょっとした事で防げる内容で、事故又は怪我が有るのは悲しいことです。

お勉強講座その42(12/18)
空気の流れを考える(地形によって風を読む
これは簡単なことのようですが、とても難しいことです、特にパラのように低速でしかも地表に近いところを飛ぶ飛行物体に取っては。先ず風洞実験の画像を見て下さいね。
これは説明にも有るとおり、大気中を翼型の物体が飛行している状況を断面的に見た物ですが、気流に真っ直ぐに飛んでいる場合は気流は乱れていませんが、迎え角を大きくし過ぎた場合(失速状態)では上面の気流が翼から剥がれてしまっているのが良く解ると思います、この状態では飛行できる訳が無いですよね。
 次に翼ではなく、物体(山でも一緒)に風が当たった場合のその前後の気流の流れ方です。
先ずは物体の前面、物体に当たる前からカーブし始めているのが解ると思います、リッジソアリングしている時の山の前面も同じですよね、上昇気流が有るからぱらは下がらないのですね、今度は物体の側面(上下)をみると煙の線が幅が狭くなってくっ着いて見えますね、と言う事は狭い幅に空気が密集していると言う事は流速が早いと言う事です、山の上面及び側面は風の強い時に行ってはいけないと言うのはこの理由からです、次に物体の後方(山の裏側)はと言うと、画像を見ても解るとおり渦を巻いています、この中にぱらが入ったらなんて考えただけでも怖いですね!だから後方へ飛ぶ場合はかなりの高度が有る場合以外は、行ったらいけません、良く先輩達が「山の前の斜面が見える範囲までしか後ろには下がってはいけない」と言うのもこの事からです、高度が上がればより後方まで飛べますね、これから自分で飛行ルートを考えて飛ぶ機会も多くなると思いますが、最低限上記の事は頭に入れて置いて下さいね。

使った画像は、印刷物を再度スキャナーで読み込んだ為モレア(しましま)が出て見にくくてすいません、しかしこの本は、ひげが何と中学生の頃、まだ鹿児島空港が鴨池に有った時代の話です、いつも空港の回りの金網にへばりついて飛行機を見ていたら、パイパーチェロキーの有った南日本エアロクラブ(飛行クラブ)の方が「僕、飛行機がそんなに好きか?、見に来るか」と行ってクラブハウスに連れて行ってくれた時に、その頃の僕にとっては大金を払って買った記念の本からの画像なのです、本の裏表紙には右のような記載がありました、昭和42年!!改訂6版、定価500円。
今じゃこんな値段で航空力学の本は買えないでしょうね(^^;、でもこれ以来ひげは航空機整備の仕事をすることになったし、趣味もぱらと1年中大空と関わって生活するようになったのかな(^^)、だから高校出ても社会人になっても結婚しても、この本はずっと持っていました、記念の本ですから。
 それが又こう言う機会に出て来る事が有るとは思いもしませんでしたけどね(^^)。 written by Hige

お勉強講座その41(11/15)
自分にとってのV1とV2
ここでのV1・V2は旧ナチスドイツのロケットの型番では有りませんよー(^^;、Vは velocity(速度)の意味です、もう昔の記憶なので本当に正しいかはちょっと危ないような気もしますが、V1は離陸中止断念速度(この速度を超過したら、例え機体にトラブルが発生しても制止することが出来ないのでそのままT/Oしなくてはならない速度)、V2はローテーション速度(機首を離陸の為に持ち上げる速度)だったと記憶しています、今回はなぜこのような話題を持ち出したかと言うと、ぱらでも何処の時点でT/Oを中止するかと言う判断が大事だと言う事です、そうでないとスタ沈又は山沈と言う結果が待ち受けています、スキー場みたいな下までなだらかな所で有れば特に問題はないのでしょうが、絶壁とか急斜面の場合は大変な事になります、ましてや人体に影響が有るような事になっては大変ですから。
 ぱらの場合、航空機みたいに速度計を見て操作すると言う事は有りませんので、この速度になればT/O出来ると言う感覚をしっかり身につけると言う事も大事ですし、又その前にキャノピーが傾いたり体勢が崩れた場合にはしっかりとT/Oを中断できなければいけません、「まー良いか」とか「このまま行っちゃえ」言うような判断は絶対に慎まなければいけません、自分だけでなく他の方にも迷惑が及びます、その為には自分であそこの線までにリフト(テンション)を感じなければT/Oをやり直すと言うラインを持っておく必要が有ります、特に無風や微風の場合には、この風でここのT/Oでは自分は無理だと言う判断まで必要になってきます、そう言う判断がちゃんと出来ると言う事がPILOTだとひげは思っています、決してどんな時にでも飛べるのがPILOTだとは思っていません。風が入るまで待つと言う事も大事な判断なのですから。
 又飛び慣れてくると最初の高高度飛行のT/Oとはうって違って一生懸命走ると言う感覚が見えなくなって来ます、それでもしっかりV2が分かっていていれば問題は無いのですが、それでもぎりぎりの速度というのは安全マージンが低いと言うのは当然の結果ですから、離陸でも着陸でも速度を持って飛行すると言う事が安全であるのは言うまでもありませんね。(ストールまでの安全マージンが高いし、ラム圧が高いので潰れにくい)
今回の要点:T/O出来るかどうか判断する事が大事です、途中でまずいかなと思ったらしっかりとT/Oを中止する事が出来る必要が有ります、やり直せば良いのですから確実なT/O出来るまで、風を待ってでも。
追伸:PILOTレベルの方が強風や無風とか超微風や、はたまたフォローでも他の人が飛べないコンディションで飛ぼうとするのはTRY精神ですから無謀とか冒険とかでは有りませんよ、それは自分の出来る限界確認であって自己責任の範囲でやるのですし練習生レベルの話ではありませんから、でもそのレベルになるまでは真似はしない方が良いと思います、あくまでも自己責任の範囲ですから、そうでないとぱらが宙返りしたりはしないですよね、でもやっている人がいるのも事実です、TRY精神の賜ですね(^^;!!、あくまでも自分の技量と相談してレベルの話ですから、またそう言う事での不成功は失敗とは言わないとひげは考えています、但し条件にも寄りますが。又空は生き物ですから、状況が刻々と変化します、PILOTには飛べる風でも練習生には無理な風も当然あります、他のPILOTの人が上手に飛べるからと言って、練習生レベルが飛べるかと言うととんでもありません、ひげは昔校長にそれをC/Kされハーネスにしがみついて飛んだ怖い思いがあります、要は対応能力の差です、待てと言われたら待っているのが自分の為だとひげは過去の経験から思います、自分の能力を超えた環境は怖いの一言ですよ、その事を知らないと言う事は、何時も怖さを知らない良い環境で飛ばしてもらっていると言う事に他なりません。怖さを知った人は、今は待てと言われた時に飛びたいとは言いませんから。

南宮崎パラグライダークラブ




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